樹脂管を温泉系統で使う際の注意点

水道屋

水道水と温泉の違い

水道水と温泉の違いは含まれる成分にあります。一番の違いは温泉にはミネラル成分が多く含まれていることです。ミネラルとはナトリウムやカルシウムなどの人間にとって必要不可欠な成分です。人間は自分でこれらを作ることは出来ないので、毎日の食事などから摂取することが必要です。飲料水として市販されているミネラルウォーターは、精製水にこれらのミネラルを添加して作られています。つまり温泉は自然が作り上げたミネラルウォーターなのです。水道水にもミネラルは含まれていますが温泉に比べるとかなり少ないです。そのため温泉と飲料水の重さを比べると温泉のほうが同じ量でも少し重たくなっています。温泉の湧いている地域に行くと、水道にも温泉が使われているところもあります。その場合は水道の補修には普通の水道水を使っているところ以上に注意しなければならないことがあります。その原因の一つが、先ほど述べた温泉に含まれるミネラル成分です。温泉には多くのミネラル成分が含まれており、これは長所でもあるのですが短所にもなることがあります。それが水道管内でのミネラル成分の析出です。ミネラル成分は濃度が高くなればなるほど、結晶化しやすくなりそれが水道管内に付着してしまいます。管内に結晶が溜まってくると、水が流れにくくなってしまいます。
そのため温泉を使用している水道では普通の水道水を使用している水道よりも頻管内の清掃を頻繁にする必要があります。

水道配管における水道水と温泉の配管寿命の変化について

水道配管の寿命は配管材の強度だけで決まるものではなく流体の水質と温度と運転条件が劣化速度を左右するため、水道水を流す系統と温泉を流す系統では同じ材質であっても寿命の現れ方が変わりやすい。水道水は飲用を前提に処理されており水質は比較的安定しているが、それでも残留塩素や溶存酸素は金属腐食に関与するため配管内面では緩やかな腐食が進行し得る一方で、流速が適正であればスケール付着が抑えられて通水断面が維持されやすいので運用管理で寿命を伸ばしやすい。これに対して温泉は成分が多様であり同じ温泉地でも源泉や季節で成分変動が起きる場合があるため、配管寿命は水質のばらつきに影響されやすく、つまり金属腐食とスケール付着のどちらが支配的になるかが現場ごとに変わりやすい。温泉で寿命が短くなりやすい代表要因は腐食性成分と高温運転であり、塩化物イオンが多い場合は孔食が進みやすく硫化水素が関与する場合は硫化物腐食や臭気対策が絡み、また遊離二酸化炭素が多い場合は酸性寄りとなって金属溶解が進みやすいので、同じ銅管でも水道水では安定していた系統が温泉では短期間で減肉することがある。ところが温泉は腐食だけでなく付着も問題になり、炭酸カルシウムやシリカなどが析出しやすい成分構成では配管内面に硬質スケールが形成されて流量が低下し結果として循環量不足や加温効率低下が起きるため寿命の定義が漏水だけでなく性能低下として現れる。水道水側でも硬度が高い地域ではスケールが出るが温泉では析出が急になりやすく、しかもスケール下で局部腐食が進むと剥離と再付着を繰り返して閉塞と漏水が同時に進むため、洗浄しても通水が回復しにくい段階へ進行することがある。材質選定の観点では水道水では銅管や樹脂管やステンレスなどの選択肢が広いが、温泉では成分適合が最優先となるため同じ常識で選ぶと寿命を縮めやすい。銅管は給湯で実績があるものの温泉の酸性や硫化物や高温により孔食や減肉が進む場合があり、ステンレスも万能ではなく塩化物環境では孔食や応力腐食割れの懸念が出るため、継手や曲げ部など応力集中がある部位で不具合が起きやすい。亜鉛めっき鋼管や黄銅部材は成分条件により脱亜鉛腐食や閉塞が起きることがあるため、温泉系統では金属の組合せを整理して異種金属接触による電食リスクも抑える必要がある。一方で樹脂管は腐食に強いが温泉の高温や有機成分や薬剤洗浄の影響を受ける場合があるため、耐熱等級と耐薬品性を確認した上で使用温度と圧力条件に余裕を持たせる設計が求められる。給湯効果の面でも寿命差は表れやすく、温泉をそのまま給湯として使う運用では配管の放熱とスケール付着が同時に進むと熱交換器や配管内の伝熱が落ちて設定温度が安定しにくくなり、その結果として燃料消費や循環ポンプ負荷が増えるので設備全体の寿命にも波及する。そこで実務では水道水系統と温泉系統を直結させずに熱交換器で分離し温泉側は閉回路循環として成分管理と清掃を前提にした設計にすることで寿命を安定させる手法が採られることが多い。運用上の要点は水質を把握して劣化モードを決め打ちしないことであり温泉成分の分析結果を基に腐食性が強いなら耐食材と犠牲陽極や防食継手などで対策し析出が強いなら温度管理や流速管理や定期洗浄計画で付着を抑えるというように、原因別に対策を分ける必要がある。点検面では水道水は漏水兆候の監視が中心になりやすいが温泉は閉塞と腐食が並走しやすいため流量低下や温度応答遅れや差圧増加など性能兆候も監視対象に含め、さらにストレーナや配管末端の堆積物の性状を確認してスケール主体か腐食生成物主体かを判別すると対策精度が上がる。以上より水道水と温泉では配管寿命の変化は水質安定性の差と腐食性成分や析出成分の差に起因し温泉は短寿命化だけでなく性能低下が先行する形でも問題化しやすいので材質選定と系統分離と成分に合わせた点検洗浄計画を一体で整えることが最も確実な長寿命化策となる。


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